家事の中でも皿洗い(食器洗い)は、多くの世帯で毎日行われる家事の一つです。
食事をすれば食器は汚れるため、汚れた食器は洗わないと次の利用ができません。

一方頻度が多いということは、効率よく行った場合の時短効果が大きいと言えます。
たとえば一日2回・一回20分かかっている皿洗いを10分で済ませることができるとどうなるでしょうか。

1回あたりの時短▲10分×2回/日×想定在宅日数300日/年=▲6,000分となり、なんと年間100時間、日数にして4日分以上の時間節約になるのです。

本記事では、皿洗いの効率を上げる方法について取り上げます。

皿洗いを時短する準備のコツ

何事も準備が重要ですが、このことは皿洗いにも当てはまります。

しっかりと準備することは無駄な工程を省くことにつながり、その分の手間を省くことができます。

洗い物を仕分ける

洗い物をする際、特に順番を考えず、手に取ったものから順に洗っていくという方も多いかと思います。
実はそれが、皿洗いの効率を悪くする原因のひとつになっています。

汚れのひどいもの(A)を洗った後に、汚れの少ないもの(B)を洗うと、Aの汚れが洗いスポンジなどを通じてBに移ります。

すなわち汚れの少ないものをいったん汚してから、その汚れを洗い落すという無駄が生じるわけです。

そこで、皿洗いの前に、洗い物を汚れの程度によって次のように仕分けします。

1.汚れが少なく、水洗いでOKなもの
2.油汚れが少ないもの
3.油汚れが多いもの

1のグループから順番に洗うと、汚れを他の食器に移すことなく効率的に皿洗いができます。
仕分けるときにも、シンクの中で洗い物の直前に並べ直すのではなく、食器を下げる段階で、分けてシンクに置くようにするとさらにスムーズです。

汚れた食器は重ねない

食器は原則として、料理を盛った面だけが汚れるものです。
しかしそれを無造作に重ねてしまうと、本来は汚れていなかった裏側に下の食器の汚れが移ってしまいます。そうすると、汚れていない部分をわざわざ汚してから洗うという無駄が発生してしまいます。

汚れた食器を重ねないようにすれば、洗わなければいけない部分の面積をわざわざ広げることにはなりません。
とはいえ、洗い物が多い時は一枚づつ運ぶのは非効率であり、それを重ねないで並べるとスペースも足りなくなってしまいます。

食後の食器を重ねず底を汚さないようにするか、重ねて下膳の効率化や洗い場の省スペースを優先するかについては、意見が分かれるところです。

しかし少なくとも、油汚れがひどい食器は重ねないのが正解といえます。
食器の裏も全く洗わないというわけにはいかないので、汚れの少ない食器は重ねてもよいことにすれば、食器の下げ方やスペースの問題にも対応できます。

汚れのひどいものは前もって先に処理をしておく

油や焦げ付きの汚れがついたものはいきなり水で流さず、キッチンペーパーでひと拭きしておくとその後の水洗いが楽になります。
キッチンペーパーでの拭き取りは一瞬のことですので、工数は増えますが時短効果は期待できます。
拭き取りに使用した紙はそのままゴミ箱へ捨てるだけです。
こうすることで下水へ流す汚水を減らすことにつながるうえに、洗剤や水道水の節約にも役立ちます。

キッチンペーパーのかわりに30cm四方程度の大きさに切った古新聞を使えば、より環境に優しいです。

もうひとつ、お米などがこびりついた食器は、洗い始める前に浸け置きがおすすめです。
浸け置きによってこびりついたお米などがふやけて、洗い落しやすくなります。
お湯であれば油汚れが分解しやすいので、浸け置く際は水よりお湯がおすすめです。

皿洗いを素早く時短する洗い方のコツ

ここまで準備すれば十分時短になるはずですが、水洗いを始めた後のコツについても考える必要があります。特にスポンジの使い方は重要です。

やってしまいがちなのが、洗剤をスポンジへ数滴たらしただけでお皿をこすり始めるということです。このやり方法では泡立ちが悪く、何度も洗剤をスポンジへ追加することになります。

さらに濃いままの洗剤が食器に残るため、すすぎ時間も長くなってしまうのです。
食器洗いは頻度の多い家事なので、作業時間を時短するとともに、節水にも努めて水道代を節約したいところです。

まずはスポンジを水で濡らして、洗剤をつけたスポンジをぎゅぎゅっと握って、水で薄められた洗剤がスポンジ全体に浸透するようにします。

先にこのようにしておけば、適量の洗剤が長時間スポンジ内にキープされて、何度も洗剤を追加したりすすぎが長引くことがなくなります。

蛇口・水栓

皿洗いを素早く時短するすすぎ方のコツ

すすぎ方にもコツがあります。

たとえば食器をひとつ洗うたびにすすいで、洗いかごに置いたら次の食器を洗ってすすぎ・・というやり方をしていませんか?

実はこのやり方の場合は、泡が一番残った状態ですすぐことになるため、すすぎ時間が余分にかかってしまうのです。
水も流しっぱなしになるので、水道代の無駄にもなります。

こすり洗いをした食器は、お湯をためた洗い桶に入れていくのがおすすめです。
ひととおり洗い終わったら、洗い桶の中の食器をひとつひとつ取り出してすすぎます。

このやり方であれば、食器についた泡が洗い桶の中にある間にある程度自然に落ちます。

その後ですすぐので、軽く水道水で流すだけですすぎが終わるというわけです。

またコップなど深さのある食器をすすぐ際は、あくまでも表面の泡を落とせばよいので、食器の中を水で満タンにする必要はありません。水道水が食器の内側の表面を流れるように、食器を回転させるように動かすのがおすすめです。
水が溜まるのを待つ時間が省略できて、時短に繋がります。

皿洗いの時短には食洗器も有効

ここまで、皿洗いを時短するコツについて取り上げてきましたが、もうひとつ紹介したいのが食洗機の活用です。

経済産業省の発表によると、日本国内での食洗器の普及率は30%程度のようです。
同じレポートの中で、欧米では7割程度の普及率という点についても触れられています。

食洗機が普及しない理由としては、食洗機を設置するスペースがないことが大きいようです。
確かに、最初から食洗器がビルトインされているシステムキッチンを導入していない限り、後から食洗器だけを取り付けるのは少々難しいといえます。

しかし、水道工事などをしなくても設置できるタイプの食洗器があります。

たとえばタンク式と呼ばれる方式の食洗器は、食洗器のタンクにペットボトルなどで注水すれば使えるため、水道管との接続は不要です。

水道とつなげる必要がないため置き場所も比較的融通がきき、うまくスペースを作れば賃貸物件でも設置可能です。

もっとも、全ての食器を食洗器だけで片付けるというのも無理があります。食器の量や大きさによっては食洗器に入りきらないことがあり、また食洗器NGな材質のものもあります。

さらに油汚れなどは下洗いしないと、食洗器だけでは落ちないことがあります。洗い物の量が少なければ、下洗いの手間を考えると手で洗った方が早いということもあります。
食洗器を活用する場合は、上手な皿洗いのコツは役に立ちますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

皿洗いを効率化することで、長期的に大きな時短効果が得られます。
そのためには、皿洗いをする前に、洗い物の仕分けなど前準備をすることが大事です。
洗う時のスポンジの使い方やすすぐ手順も、皿洗い効率化のポイントといえます。
より効率よく皿洗いをしたい方は、ビルトイン食洗機の新設や置き型の食洗機の導入を視野に入れてみるのもおすすめです。

ビルトインガスコンロ

レンジフード