給湯器が壊れてしまうと、食器洗いだけでなくシャワーやお風呂なども使えなくなり、生活に大きな支障が出てしまいます。もし、ある日突然、お風呂の給湯器が壊れたらどうすれば良いのでしょうか?本記事では、給湯器が故障する原因や対処法などについて解説します。

給湯器

給湯器の故障や不具合でよくある症状

給湯器 故障 症状

まずは、給湯器の故障や不具合でよくある症状を解説します。

異音がする

給湯器からいつもと違う音がするのなら、給湯器内部で不具合や異常が発生している可能性が高いです。例えば、ホイッスルのような「ピーッ」という音がするときは、ファンモーターの不具合が考えられます。金属が何かに当たったような「カタカタ」という音なら、給湯器が故障する前兆かもしれません。もし、給湯器の設置から10年以上経過したものであれば、新しい給湯器への交換をおすすめします。

「ボッ」「シュボッ」といった着火音が聞こえたら、不完全燃焼を起こしていたりガス漏れを起こしていたりする危険性があります。すぐにガス栓(元栓)を閉めてから換気をして、ガス会社に連絡してください。

お湯が出ない・ぬるま湯しか出ない

設定した温度のお湯が出ない、またはぬるま湯や水しか出なければ、給湯器内部や配管の劣化、循環フィルターの詰まりなどが起こっている可能性があります。例えば、給湯温度を40度に設定しているのに冷水しか出ない、お風呂のお湯はりはできるがお湯が温かくない、追い焚きが機能しないなどの症状があります。

水漏れを起こしている

凍結などで排水管が膨張して亀裂・損傷があったり、配管の接続部分に不具合があったりすると、給湯器から水漏れすることがあります。

異臭がする

給湯器を新設した直後は、給湯器の組み立て時に使った油が燃焼されることで少し異臭がすることがあります。しかし、この異臭も時間と共に消えていきます。しばらく経っても異臭が続くのであれば、ガス漏れが発生している恐れがあるため、すぐにガス会社に連絡してください。そのままにしておくと、爆発や火災、一酸化炭素中毒などの危険性があります。

煙が出ている

給湯器から白い煙が出ているのは、排気中の水蒸気であることが多いです。外気温が低い季節にみられる現象で、不具合や故障ではありません。

ただし、外気温が高いのにも関わらずずっと白い煙が出ていたり、異臭がしたり、黒い煙が出ていたりする場合は、不完全燃焼など異常が起こっている可能性が高いです。一酸化炭素中毒などの危険性もあるため、ただちに給湯器の使用を中止してガス会社へ連絡してください。

給湯器

お風呂の給湯器が故障する原因

給湯器 故障 原因

お風呂の給湯器が故障する原因としては、さまざまなものが考えられます。主な要因は以下の4つに集約されます。

経年劣化

製品や設置場所、使用状況などによっても異なりますが、一般的に給湯器の寿命は10年ほどといわれています。使用頻度が高い給湯器は、時間の経過とともに少しずつ劣化していきます。そのまま長く使い続けると、どうしても不具合が起こりやすくなります。

故障や不具合の内容によっては、修理業者に依頼して対処できることもあります。しかし、10年以上使用している古い給湯器では、修理するよりも新しい給湯器に交換したほうが安く済むことがあります。

雨や風による損傷を受けた

給湯器は外に設置することが一般的であるため、どうしても日常的に雨や風、ほこりなどにさらされます。雨水が侵入することで、給湯器内部に溜まっていたほこりなどが湿気を吸い、給湯器の故障や不具合につながってしまいます。また、強風で空き缶や砂利などがぶつかって、配線や基盤部品などに損傷が生じていることもありえます。

給湯器の配管が凍結した

配管内部の水が凍結すると、体積が約10%増加します。この膨張によって配管や接続部が圧力に耐えられず、ひび割れや破損が起こります。その結果、気温が上がって氷が溶けた際に水漏れが起こるのです。給湯器には凍結防止機能が付いていることが一般的ですが、急激に気温が下がった日は、配管が凍結する可能性は十分にあります。寒冷地だけではなく温暖な地域でも注意してください。

過度な負担がかかる使い方をした

家庭用の給湯器を業務用で使用するなど、本来の能力を超えた使い方をすると過度な負荷がかかってしまい、故障することがあります。また、定期的なメンテナンスや点検を行わずに長期間放置している場合でも、本来の耐用年数よりも早めに劣化します。

お風呂の給湯器が壊れたかも?と疑う前に確認したいポイント・対処法

給湯器 故障 確認 ポイント

給湯器が壊れたかな?と思ったら、まずは下記のポイントを確認してみてください。

蛇口から水は出るか

家の蛇口をひねってお湯だけではなく水も出なければ、給湯器ではなく蛇口本体にトラブルが起こっているか、災害などによって一時的に断水が起こっている恐れがあります。止水栓や元栓が閉まっていないか、水道管凍結や損傷などはないかを確認してください。

ガスコンロは使えるか

ガス給湯器を使用しているご家庭は、キッチンのガスコンロも使えるか確認してください。ガスコンロも点かないのであれば、ガスに何らかの不具合が発生しています。

ガスメーターは、ガスコンロを長時間点火し続けたり、地震で揺れを感じたりといった異常を検知すると自動的にガスを止める仕組みになっています。ガス漏れなどの異常がなければ、復帰操作を行えばすぐにガスが使えるようになります。

また、ガスが止まった際にガス臭さを感じたら、ガス漏れが起こっている可能性があります。大変危険ですので、すみやかにガス会社に連絡をしてください。

給湯器の電源が入っているか

何らかの原因で給湯器の電源が急にオフになっていると、異常がなくてもお湯が出なくなることがあります。停電のあとにお湯が出なくなったら、給湯器の電源が落ちていないか確認してみてください。

温度設定が低くなっていないか

何らかの要因で給湯温度の設定が変更されてしまい、適温のお湯が出なくなっていることも考えられます。水は出るのに温かいお湯が出ないのであれば、温度設定を今一度確認してみてください。

エラーコードが表示されていないか

給湯器のリモコンの液晶画面に数字や英文字のエラーコードが表示されていれば、給湯器本体や関連部品に不具合や故障が発生している恐れがあります。

メーカー別の給湯器のエラーコードについては下記のページをご参考ください。

メーカー別給湯器のエラーコード一覧と対処法|交換できるくん

水漏れはしていないか

給湯器周辺が濡れている場合は、水漏れの可能性があります。給湯器の電源をオフにしてから、水漏れの発生箇所をチェックしてください。給湯器本体や配管の接続部などから水が漏れているのであれば、設定した温度のお湯が出なくなります。

水漏れは給湯器の部品の破損や故障によって発生していることが多いため、自力での対処は難しいです。

給湯器の修理にかかる時間や費用について

給湯器 修理 費用

給湯器の故障といっても、給湯器の種類やメーカー、症状の度合い、設置場所や使用年数などによって費用は異なります。

例えば、温度ヒューズなどの安全装置系だとおよそ7,000~8,000円、基盤など電装系部品だと10,000円ほどが目安です。バーナーなど燃焼系の部品だと17,000円ほどかかります。これらの金額はあくまでも目安です。

ちなみに給湯器を修理するときは、メーカーの保証期間内であれば無料で修理や部品交換が受けられることも。保証期間は購入から1〜2年ほどが目安です。

ちなみに、保証期間を過ぎていて、かつ購入から10年以上経過している場合は、修理よりも新しい給湯器に買い替えたほうが費用が安くなる可能性が高いです。

ガス給湯器からエコキュートやエコジョーズ、高効率給湯器への交換・買い替えの場合は国や自治体が実施している補助金を使って費用を抑えることも。詳しくは下記をご参照ください。

給湯器が壊れてお風呂に入れない場合はどうしたら良い?

給湯器 壊れて お風呂 入れない

場合によりますが、給湯器の修理には数日かかることも。その間は自宅のお風呂を使えないため、自宅以外でお風呂に入る方法を考えておく必要があります。

銭湯やインターネットカフェを利用する

近所にある公共の施設でお風呂やシャワーを利用するのがもっとも手軽な方法です。具体的には、銭湯、スポーツジム、市民プール、漫画喫茶などの施設が挙げられます。

ドライシャンプーや蒸しタオルを使う

ドライシャンプーや蒸しタオルを使うのも便利です。ドライシャンプーとは、洗い流し不要で頭皮や髪を洗えるシャンプーのことをいいます。

主に「スプレータイプ」と「パウダータイプ」があり、乾いた頭皮や髪に振りかけることで水やお湯がなくても簡単にシャンプーができます。アウトドアや災害時などに重宝されます。体は、蒸しタオルで拭くのが便利です。濡らしたタオルをよく絞ってレンジで温めるだけで簡単に作ることができます。

湯沸かし器でお湯をつくる

湯沸かし器とはスティック状のヒーターです。水を張った浴槽の中にヒーターを沈めてスイッチを入れることで水を加熱します。ただし、使用状況によりますが、お湯になるまでに7〜9時間ほどかかるので注意してください。

まとめ

給湯器は毎日使う家電なので、どうしても不具合や異常な事象が起こりがち。「故障かな?」と思ったら、まずは本記事を参考に原因を探し、場合によっては新しい給湯器への買い替えも検討してみてください。

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