省エネ性能に優れた高効率給湯器「エコジョーズ」。環境や家計にやさしいイメージはあるものの、他の給湯器と比べてどこが良いのか気になりますよね。

本記事では、エコジョーズのメリット、デメリットをわかりやすく解説します。エコジョーズの購入を考えている方はぜひ参考にしてください。

エコジョーズとは?

給湯器 エコジョーズ とは

エコジョーズとは高効率給湯器の1つです。最大の特徴は、排気熱を再利用しガス消費量を抑えてお湯を沸かせること。

従来の給湯器では、お湯を沸かす際に多くのガスが使われ、排気熱もたくさん排出されます。エコジョーズでは、この排気熱を回収して再利用するため、ガス代の節約ができ、環境負荷も減らせる給湯器として注目されています。

エコジョーズが初めて販売されたのは2000年です。ガス機器メーカーのパーパス株式会社から販売されました。そのあと他のメーカーからも販売されるようになり、2022年3月時点で、全国での販売実績は累計1,200万台以上です(日本ガス石油機器工業会調べ)。

給湯器

エコジョーズとエコキュートの違い

エコジョーズと同じ高効率給湯器にエコキュートがあります。エコジョーズとエコキュートの主な違いは下記のとおりです。

エコジョーズエコキュート
給湯器の種類ガス給湯器電気給湯器
給湯方法瞬間湯沸かし式貯湯式
湯切れの心配なしあり
初期費用目安30万円ほど50万円ほど

エコジョーズとエコキュートの大きな違いは、お湯を沸かす際に使うエネルギー源と仕組みです。エコジョーズは、排気熱とガスを使用して瞬間的にお湯を沸かすガス給湯器です。

エコキュートはヒートポンプ技術を使って空気中の熱を取り込み、電気を使ってお湯を沸かし、そのお湯をタンクに貯めておきます。

瞬間的にお湯を沸かせるエコジョーズは、湯切れの心配はありません。一方のエコキュートは、一度に大量のお湯を使うと湯切れの可能性があります。

エコキュート

エコジョーズのメリット

エコジョーズ メリット デメリット

エコジョーズにはさまざまなメリットがあります。いくつか解説します。

省エネ性能が高い

エコジョーズの特筆すべきメリットは、省エネ性能の高さです。エコジョーズは、従来の給湯器が使わない排気ガスを回収・再利用します。この排気熱を使うことで、従来80%ほどだった熱効率を約95%まで向上させています。そのため、従来のガス給湯器と比較しても大幅にガス使用量を減らすことが可能となります。エネルギーコストの削減、ひいてはガス代を抑えることにもつながります。

狭いスペースでも設置ができる

エコジョーズは、沸かしたお湯を貯めておくタンクが不要です。給湯器本体のみ設置すれば良いので、比較的設置スペースが限られたご家庭でも取り付けできます。既存のガス配管をそのまま利用できるケースも多いです。

即時に給湯ができる

エコジョーズはガスを使用して瞬時にお湯を沸かすため、必要なときにすぐにお湯を供給可能です。給湯までの待ち時間が少なく、ストレスフリーにお湯を使えます。

エコジョーズのデメリット

メリットもある一方で、エコジョーズにはデメリットも存在します。

初期費用が高い

エコジョーズは、従来の給湯器に比べて初期費用が高くなる傾向にあります。また、構造が複雑で使われている部品も多く、設置時に配管や排気の工事が必要になることもあります。ただし、国や自治体が実施している補助金を活用すれば、初期費用を抑えることができます。エコジョーズの交換や買い替えで使える補助金については、以下の記事を参照ください。

設置条件の制約

エコジョーズは貯湯タンクが不要なため、ある程度スペースが限られているご家庭でも設置しやすいです。ただし、エコジョーズ本体前面にある排気口や吸気口を塞がないようにしなければいけません。設置場所によっては、排気カバーや排気アダプターを取り付けて排気ガスの方向を調整する必要もあります。それでも対応できない場合は、設置が難しくなることがあります。

運転音が発生する

エコジョーズは排気熱回収を行うため、少なからず稼働音が生じます。メーカーや機種によって異なりますが、エアコンの室外機と同程度のボリュームの運転音が発生することも。

排水管工事が必要になる

エコジョーズの機種や使用条件などによって異なりますが、基本的に排水管が引ける場所でないと設置できません。回収した排気熱を使用した後、機器内に結露水が発生します。

これらの水(ドレン排水)は1分間で60cc〜100ccほど排出されます。ドレン排水は有害ではありませんが、垂れ流しにしていると周囲が水浸しになってしまいます。
そのため、排水専用の配管を設置して対策します。集合住宅にエコジョーズを設置する場合は、追加でドレン排水切替ユニット(三方弁ユニット)などの専用機器を付けることもあります。

まとめ

本来は捨てられてしまう排気熱をムダなく活用するエコジョーズ。
省エネ性能の高さや、すぐにお湯を沸かすことができるメリットをもつ一方で、運転音が大きい、初期費用が高いといったデメリットもあります。(とはいえ、対策方法は色々あります)

本記事で解説したエコジョーズのメリット・デメリットを考慮したうえで、交換や買い替えを検討してみてください。

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