キッチンの換気扇は、料理時に発生する煙やニオイを外に排気するために必須の装置です。
高気密住宅やアイランドキッチンなど、最新のキッチンでは「シロッコファン」を使った換気扇が増えています。

シロッコファン型の換気扇は、プロペラ型の換気扇に比べ音が静かなのが特徴ですが、不具合が発生すると異音が発生するようになります。
換気扇が故障すると、料理中の換気が行えなくなるため、早めの交換・修理が必要です。

この記事では、シロッコファンの不具合や異音の原因、シロッコファンのモーター交換の方法について解説します。

レンジフード

シロッコファンとは?

シロッコファンは、換気扇(レンジフード)に使用されるファンの一種で、複数の羽根が筒の外側に取り付けられたものをさします。

従来型のプロペラ式換気扇は壁に取り付ける必要がありましたが、シロッコファンならダクトに繋ぐことができるため、アイランドキッチンなど壁がない場所に設置することも可能です。
また、レンジフードを使いコンロの真上に設置できることから、プロペラファンに比べて捕集効果が高いのも特徴となります。

静音性にも優れているシロッコファンは、レンジフードの主流となり、多くの家庭で使用されています。

換気扇のシロッコファンから異音が聞こえる原因

換気扇のシロッコファンから異音が聞こえる場合、いくつかの原因が考えられます。

主な原因を4つ紹介します。

汚れの付着

キッチンの換気扇には汚れが付着しやすいものです。
油でベタベタになったキッチン汚れを放置すると、ホコリが付着しザラザラになりますよね。シロッコファンも洗わずに放置しているととベタベタ・ザラザラ汚れが付着してしまいます。

シロッコファンに汚れがたまると、回転がスムーズに行えなくなり、異音を発生させることがあります。
定期的にシロッコファンの清掃を行うのがおすすめです。
また、異音が気になった時も、まずシロッコファンを掃除してみると、異音がなおることもあります。

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潤滑油不足

換気扇を作動させている時に「キュルキュル」といった音や「ジリジリ」といった音が断続的に聞こえる場合は潤滑油不足を疑います。

換気扇を作動させると、シロッコファンは高速で回転します。
シロッコファンがスムーズに回転するよう、回転軸と軸受け(ベアリング)の間には「潤滑油」がさしてありますが、長年使い続けることにより、潤滑油が酸化・劣化、あるいは揮発してしまうのです。
潤滑油が不足すると、回転時に軸受けと軸が擦れ、摩擦音を発生させます。

潤滑油を補充することで異音を解消できる可能性もありますが、軸受けや軸が摩耗していると、他の不具合も生じている可能性があるため、見極めが必要です。
潤滑油をさすよりも、モーターを交換するほうが良い場合もあります。

回転軸のずれ

シロッコファンに汚れが溜まったまま使い続けたり、潤滑油不足のまま使用し続けると、ファンの軸に負荷がかかってしまい、回転軸がずれてしまうことも。回転軸がずれると、シロッコファンのバランスがくずれ、「カラカラ」「カタカタ…」といった異音が発生します。

回転軸がずれてしまうと、交換修理が必要になります。そのまま使い続けると、どんどん軸がずれてしまうため、なるべく早めに交換修理することをおすすめします。

モーターの寿命

シロッコファンのモーターには寿命があります。
汚れが溜まったり軸のずれや部品のサビなどが発生したりと、経年劣化は避けられません。

「シロッコファンのモーターが壊れたかも?」と思ったら、なるべく早く修理を依頼するようにしてください。

換気扇シロッコファンのモーター交換は自分でできる?

シロッコファンのモーター交換は、DIYで行うことも可能ですが、専門的な知識と技術が必要です。
失敗すると、回転軸がずれてさらに故障の原因となってしまう可能性もあります。
作業が難しいと感じた場合や、DIYに自信がない場合には、業者に依頼する方が安全です。

シロッコファンモーターの交換手順を解説します。

シロッコファンのモーターを交換する前にすること

換気効率が落ちた場合や異音がする場合など、シロッコファンのモーターを交換する前に、まずはシロッコファンを綺麗にしてみるのが良いかもしれません。

シロッコファンは従来のプロペラ式換気扇に比べて洗いにくいことで知られています。
羽の数が多く、隙間も多いので、一度汚れが付着するとだんだん溜まってしまい、そのうちともて大きな汚れとなってしまうのです。

モーターを交換するまえに、一度シロッコファンを取り外して洗浄してみるのも一案です。

シロッコファンのモーター交換手順

シロッコファンのモーター交換手順は以下の通りです。
作業は安全のため必ず電源を切り、ブレーカーを落としてから行ってください。

  1. 1. フィルターとカバーを取り外す:まずは換気扇のフィルターを外し、次にシロッコファンのカバーを取り外します。
  2. 2. シロッコファンを取り外す:シロッコファンが回らないように抑えながら、中心のネジを外し、シロッコファンを取り外します。(ワンタッチで外れるものもあります。)
  3. 3. モーターの取り外し:シロッコファンを取り外すと、モーター部分が見えるようになります。たいていは、4つのネジで固定されているので、対応するドライバーで外します。その後、本体と接続されているコードを取り外してください。
  4. 4. 新しいモーターを取り付ける:モーターを取り外した手順の反対の手順で、新しいモーターを取り付けます。外れないようにしっかりとネジを締め、次に、コードを本体に接続します。
  5. 5. シロッコファンやフィルター、カバーを戻す:シロッコファンとカバー、フィルターを元に戻します。
  6. 6. 動作確認:取り付けが終わったら、ブレーカーを入れてからスイッチをONにし、正常に作動するか確認しましょう。異常がある場合は、再度取り付けを確認するか、業者に依頼することをおすすめします。
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シロッコファンが寿命なら、レンジフードを交換するのもアリ!

シロッコファンやモーターが寿命を迎えている場合、モーターを交換したあとに他の部品が故障する可能性もあります。
一般的にレンジフードの寿命は10年〜15年程度と言われています。

最新式のレンジフードは自動洗浄機能やコンロ連動機能がついたものなど、さまざまな便利機能があり、お手入れも簡単になっています。
シロッコファンの不具合が気になったタイミングで交換を検討してみるのもおすすめです。

まとめ

換気扇の異音や不具合は、シロッコファンモーターの劣化が原因であることも。
モーターの交換はDIYでも可能ですが、慣れていない方は専門業者に依頼した方が安心かもしれません。

また、シロッコファン自体も汚れがひどい場合には、レンジフード全体の交換もおすすめです。
換気扇が壊れてしまう前に、キッチンにあったレンジフードを選び交換すれば、ゆとりをもって交換工事が行えます。
機能や外観、お手入れ性能などを比較してみると、使い方にあったレンジフードを見つけることができるでしょう。

シロッコファンのモーター交換を検討する際は、ぜひ参考にしてみてください。

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