エコジョーズ（潜熱回収型ガス給湯器）の交換や買い替えで使える補助金【2024年度版】

ガス使用量を削減しながら湯沸かしができる給湯器「エコジョーズ」。月々のガス代節約になるメリットがあるものの、気になるのが初期費用です。決して安くはない初期費用を少しでも抑えたければ、お得な補助金制度を活用するのがおすすめです。
本記事では、エコジョーズの導入・買い替えに使える補助金をご紹介します。

エコジョーズについて

エコジョーズとは、省エネ性が高く環境に優しい高効率給湯器です。最大の特徴は、従来の給湯器よりも少ないガスで効率良く湯沸かしができる点です。従来の給湯器の湯沸かしでは、給湯器内部に入った水が配管を通り、熱交換器でお湯になります。この熱交換器を熱するために、多くのガスが使われます。

一方、エコジョーズでは水を温める際にガスだけではなく排気熱も再利用します。そのため、使用するガスの量を削減しながら、ガスだけのときと変わらない量の湯沸かしが実現できます。

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「住宅省エネ2024キャンペーン」とは？

「住宅省エネ2024キャンペーン」は、家庭部門の省エネを推進するために作られた4つの住宅省エネにおける補助事業の総称です。2050年のカーボンニュートラル実現を目標に、国土交通省・経済産業省・環境省が連携して実施しています。2023年から始まり、2024年も継続となりました。

同事業のうち、エコジョーズの交換や買い替えで補助金が交付されるのは、「子育てエコホーム支援事業」「賃貸集合給湯省エネ2024事業」の2つです。

なお、1台のエコジョーズに対して「子育てエコホーム支援事業」「賃貸集合給湯省エネ2024事業」など住宅省エネ2024キャンペーン内の複数事業を同時に申請することはできないので注意してください。

【最新】リフォームに使える補助金「住宅省エネ2024キャンペーン」とは？

「子育てエコホーム支援事業」について

「子育てエコホーム支援事業」は、2023年の「こどもエコすまい支援事業」の後継事業として2024年も継続して実施されている事業です。

エネルギー価格や物価高騰などの影響を受けやすい子育て世帯や若者夫婦世帯が、より省エネ性の高い新築購入や改修をしやすくするために、その費用を一部補助するものです。

ちなみに、リフォーム（機器交換）においては子育て世帯以外の方も対象となります。補助対象は2023年11月2日以降に着工・改修したもので、エコジョーズを含む自動調理対応コンロ、宅配ボックス、食洗機など家事負担を軽減する住宅設備の設置に一定の補助が出ます。

「子育てエコホーム支援事業」で補助される金額

子育てエコホーム支援事業の補助額は、1戸あたり30,000円です。この金額は、下記の対象製品基準を満たして初めて補助されます。

種別	補助要件	補助金額
給湯暖房器	給湯部熱効率が94%以上であること	30,000円／1戸
給湯単能器・ふろ給湯器	モード熱効率が83.7％以上であること

参照：エコ住宅設備の設置【リフォーム】｜子育てエコホーム支援事業【公式】

「賃貸集合給湯省エネ2024事業」について

「賃貸集合給湯省エネ2024事業」は、その名のとおり、賃貸集合住宅向けの事業です。賃貸集合住宅にすでに設置されている給湯器を高効率給湯器に入れ替える際に、一部費用を補助します。
正式名称は「既存賃貸集合住宅用小型省エネルギー型給湯器導入促進事業費補助金」といいます。
補助対象になるには、下記3つの要件をすべて満たす必要があります。

補助要件

1.賃貸集合住宅の所有者等である 2.賃貸集合給湯省エネ事業者と以下a.b※のいずれかの契約を締結する 3.既存賃貸集合住宅の1棟あたり賃貸住戸2戸以上の住戸について、従来型給湯器を補助対象である小型の省エネ型給湯器に交換する

「賃貸集合給湯省エネ2024事業」で補助される金額

賃貸集合給湯省エネ2024事業で補助される金額は、エコジョーズの種類や性能によって異なります。補助金額（基本額）は下記のとおりです。

種別	補助要件	補助金額
給湯単能機	モード熱効率が90％以上のもの	追い焚き機能なし：5万円／台 追い焚き機能あり：7万円／台
ふろ給湯器	モード熱効率が90％以上のもの
給湯暖房機	給湯部熱効率が95％以上のもの

対象となるエコジョーズのメーカー・製品

「子育てエコホーム支援事業」と「賃貸集合給湯省エネ2024事業」では、大阪ガス株式会社、株式会社ノーリツ、株式会社パロマなど、多くのメーカーの製品が補助対象として登録されています。

自治体が実施しているエコジョーズに関する補助金

「住宅省エネ2024キャンペーン」以外にも、地方自治体で独自に実施している補助金があります。いくつかピックアップしてご紹介します。

※2024年（令和6年）7月時点での情報です。予算額に達した場合は期限前でも受付が終了されます。申請前に必ず最新情報をご確認ください。

1.新エネルギー導入促進補助金【北海道・帯広市】

対象設備	エコジョーズのみ	エコジョーズ（ガスエンジンコージェネレーションシステム）	エコジョーズ（家庭用燃料電池併設）
補助金額	経費の1/10：1台
補助要件	給湯熱効率が90％以上	・熱出力が5kW以下・小出力発電設備である ・低位発熱量基準で、総合効率が80％以上	・燃料電池ユニットと貯湯ユニットで構成される燃料電池システム
対象期間	2025年1月31日まで
対象工事	2025年3月31日までに、報告書を提出した工事が対象

申請受付期間は、2024年4月1日から2025年1月31日まで。2025年3月31日までに設置したエコジョーズが対象になります。
なお、補助上限はエコジョーズのみが3万円、ガスエンジンコージェネレーションシステムまたは家庭用燃料電池を併設したエコジョーズは11万円です。

参照：新エネルギー導入促進補助金｜ 帯広市ホームページ　十勝

2.住宅用ゼロカーボンシティ推進補助金【大阪府・泉大津市】

対象設備	エコジョーズ
補助金額	1万円／台
補助要件	潜熱を回収するための熱交換器を備えている給湯器で、給湯効率が90％以上であること
対象期間	2025年3月15日まで
対象工事	2024年3月16日から2025年2月28日までに設置したものが対象

申請受付期間は、2024年4月1日から2025年3月15日まで。2025年2月28日までに設置したエコジョーズが対象になります。

参照：住宅用ゼロカーボンシティ推進補助金を交付します／泉大津市

3.世田谷区エコ住宅補助金【東京都・世田谷区】

対象設備	エコジョーズ
補助金額	20,000円／台
補助要件	・区内に、自らが居住する住宅（分譲マンションの区分所有や賃貸住宅を含む）を所有していること・区内に店舗、営業所などを置く施工業者と契約し、施工すること・同工事において、区が実施する他補助金を受けていないこと・令和6年度エコ住宅補助金の申請をしていないこと
対象期間	2024年4月1日から2025年2月末日まで
対象工事	2023年9月以降の工事

申請受付期間は、2024年4月1日から2025年2月末日まで。2023年9月以降に設置したエコジョーズが対象になります。なお、新築住宅は工事完了時点で機器が設置されていること、既存住宅においては建物竣工以後の改修工事や機器の交換・設置に限ります。

参照：令和6年度　世田谷区エコ住宅補助金について | 世田谷区ホームページ

4.久喜市ゼロカーボン推進補助金【埼玉県・久喜市】

対象設備	エコジョーズ
補助金額	1万円／台
補助要件	・2025年3月11日時点で久喜市に住民票がある方 ・対象機器（新品でかつ未使用）を設置または購入する個人の方 ・過去に同じ機器で補助制度を受けていない方
対象期間	2024年6月10日～2024年12月27日
対象工事	2024年3月9日～2025年3月8日の間に引渡しが完了する機器

申請受付期間は、2024年6月10日から2024年12月27日まで。2024年3月9日から2025年3月8日の間に、引渡しが完了するエコジョーズが対象になります。

参照：令和6年度久喜市ゼロカーボン推進補助金：久喜市ホームページ

まとめ

本来捨てられる排気熱をうまく利用し、ガス代を抑えながら湯沸かしができるエコジョーズ。うまく補助金を活用すれば、日々のガス代節約はもちろん、本体購入・買い替え費用の負担軽減につなげることができます。

依頼先の業者が補助金申請に対応しているかも、エコジョーズの買い替え時には重要なポイントとなります。エコジョーズ導入の際は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。