省エネ効果が高く、地球にやさしく光熱費を節約できるエコキュートですが、『水圧が弱い』という点で困っている方や導入を迷っている方もいらっしゃるかもしれません。

特に、シャワーのお湯だけ水圧が弱くなってしまうと、お風呂に入っていても体や顔を洗いにくく、不便ですよね。

この記事では、エコキュート使用時にシャワーのお湯だけ水圧が弱くなってしまう原因と5つの改善方法をご紹介いたします。

エコキュート

エコキュートの水圧が弱くなる原因

エコキュートを導入してから、お湯を出す時の水圧が弱くなったと感じることもあるようです。
というのも、エコキュートは通常のガス給湯器や水道水とは異なり、一度減圧してからお湯を出す仕組みになっているからです。

エコキュートは、お湯を作った後、一度貯湯タンクに溜めてからお湯を使います。

一方で、ガス給湯器は、水道から流れててきた水をガスで瞬間的に沸かすことで温度に近づける仕組み(水道直圧方式)です。
エコキュートの場合、水道局から高圧力で送られてくる水をそのままタンク内であたためると、タンク内が高圧になってしまうため、一般的に減圧してからお湯をつくります。

そのため、エコキュートで作ったお湯を使う際には、従来型の給湯器でお湯を作った時よりも、水圧が弱くなってしまうのです。

シャワーのみ使用している時や、洗い物の時だけなど、お湯を1箇所で使っている時は気にならなくても、家族が家の中で同時にお湯を出そうとすると、水圧が弱くなる傾向があります。

エコキュートでシャワーの水圧が弱いのを改善する方法

エコキュート使用時にシャワーの水圧が弱くなってしまうのを改善する方法として、下記の5つが挙げられます。

  1. お湯を同時に使用しない
  2. 止水栓の開き方を確認する
  3. 給湯加圧ポンプを設置する
  4. エコキュートの設定温度を高くする
  5. 高圧タイプのエコキュートを使用する

どの方法もエコキュートの水圧改善に効果がある方法なので、試してみるとシャワーの水圧を改善することができるはずです。

それぞれ詳しく解説いたします。

エコキュート

お湯を同時に使用しない

エコキュート使用時に限らず、キッチンとお風呂場など、家の中の複数の場所でお湯を使用すると、水圧が分散されてしまい、シャワーの水圧も弱くなってしまいます。

シャワーのみ使用した時の水圧に不満がなければ、お湯を使う時間をずらすだけで、水圧を改善することができます。
朝の洗顔時にはキッチンでお湯を使わない、食器を洗う時間とお風呂に入る時間をずらすなど、お湯を使うタイミングを意図的にずらすことでシャワーの水圧を保つことができます。

単純な解決方法ですが、設備投資も必要ないため、家族で話し合い、ちょっとした工夫で解決できる方法です。

止水栓の開き方を確認する

エコキュートの水圧が弱いと感じた時には、一度『止水栓の開き具合』をチェックしてみるのもオススメです。
止水栓の開き方が不十分だと、全体的に水圧が低下してしまい、エコキュート使用時にはさらに水圧が低くなっているという可能性があります。

日頃、止水栓の開け閉めをする機会は少ないため、どこにあるのかわからないという方もいらっしゃるかもしれませんね。

シャワーの止水栓は、水栓のもと近くにあることが多く、マイナスドライバーで回すことができます。
説明書をみて、止水栓の位置を確認し、少し開いてみるなどして調整してみてください。

給湯加圧ポンプを設置する

エコキュートのシャワーの水圧を効果的に改善する方法として、給湯加圧ポンプの設置があります。
給湯加圧ポンプは、水圧を高める装置で、二階建て以上の住宅や水圧が元々低い地域で効果を発揮します。

このポンプを設置すれば、シャワーの水圧も向上させることができます。

ただし、給湯加圧ポンプの設置は専門業者に依頼する必要があります。
また、負圧作動弁付エアベントも設置しないと、貯湯タンクが真空状態になったときにタンクが破損してしまう可能性がありますのでご注意ください。

エコキュートの設定温度を高くする

エコキュートの設定温度を高くすることでも、シャワーの水圧を改善することができます。

設定温度と水圧は一見関係なさそうですが、設定温度を高くしておけば、お湯を使う時に水で温度を下げなくてはいけないため、タンク内のお湯を水道水で適温にして使うことになります。
そうすると、水道水の圧力が加わるため、水圧が向上するという仕組みです。

水の水圧は問題ないけれど、エコキュートのお湯だけ水圧が低いという場合には、試す価値があるでしょう。

ただし、エコキュートの設定温度を高くすると、その分電気代が高騰します。
電気代を抑えたいという方は、少しずつ設定温度を上げるなどし、ちょうど良い塩梅の温度と水圧を見つけてみてください。

また、小さな子供や高齢者がいるご家庭では、設定温度を調整する際には十分注意し、安全に使用できるように配慮が必要です。

高圧タイプのエコキュートを使用する

これからエコキュートを導入するという方や買い替えを検討している方は、高圧タイプのエコキュートを使用することで、シャワーの水圧を高めることができます。
特に2階に浴室がある場合は、高圧タイプにすることで、シャワー時の水圧改善が期待できるでしょう。

高圧タイプのエコキュートの水圧目安は、260~500kPaと標準モデルよりも高めになっています。

ただし、高圧タイプでも元の水圧が低い場合は、それ以上の水圧にはなりませんのでご注意ください。あくまでもエコキュートの水圧が低い場合に高圧にすることができるのが高圧モデルです。

高圧タイプのエコキュートとは?

エコキュートには標準圧タイプと高圧タイプの2種類があります。
高圧タイプのエコキュートは、その名の通り標準圧タイプよりも高い水圧で給湯することが可能です。

高圧タイプのエコキュートの水圧は、一般的に260~325kPaの範囲に設定されています。(日立のエコキュート「ナイアガラ出湯」なら、水道直圧式なので500kPaまで対応しています。)

2階や3階にある浴室でも十分な水圧を確保するためには、高圧タイプの設置がオススメです。
元の水圧が300kPaの場合、高圧タイプのエコキュートを使用することで、ほぼ元の水圧そのままでシャワーを利用することが可能です。

現在エコキュートをお使いの方で、高圧タイプのエコキュートに交換しようかお悩みの場合は、元水圧と給湯水圧に差があるかを確認してから検討してください。
元水圧と給湯水圧に差がある場合は、高圧タイプに交換することで効果を発揮します。

元水圧と給湯水圧の差を確認する方法

元水圧と給湯水圧の差は、下記の方法で簡単に自分で確認することができます。

  1. バケツを用意し、シャワーの止水栓を全開にする。
  2. シャワーの蛇口を全開にひねり、水とお湯、それぞれで5〜10秒程度ずつ出しっぱなしにする。
  3. バケツに溜まった水の量とお湯の量を比較する。水深を測ることで、量がわかります。
  4. 水とお湯で明らかな差がある場合は、高圧タイプがオススメです。

差があまりない場合は、標準圧タイプから高圧タイプにかえてもあまり水圧に違いがでない可能性があります。

まとめ

エコキュートでシャワーのお湯だけ水圧が弱い場合、お湯の使い方を工夫したり、設定温度を高くすることで、簡易的に水圧を高めることができます。また、高圧タイプのエコキュートを使用すれば、2階の浴室でも水圧を安定させ、快適に過ごすことができるかもしれません。

強めの水圧がお好みの方は、エコキュートの導入・交換時に高圧タイプを検討してみるのも良いかもしれませんね!ぜひ参考にしてみてください。

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