エコな給湯器として注目されている「エコキュート」ですが、本当に省エネになるのか疑問に思っているという方も多いのではないでしょうか?

エコキュートは再生可能エネルギーを利用してお湯を沸かすことで、CO2の発生を抑えることができます。
環境負荷の少ない次世代のための選択肢のひとつです。家計にとっては、光熱費を節約できるのが、大きなメリットといえるでしょう。

この記事では、エコキュートが省エネにつながる理由や電気料金の目安、設置・交換に利用できる補助金について解説いたします。

エコキュート

エコキュートとは?

エコキュートとは、ガスではなく「電気」でお湯を作る給湯器です。ガスは全く使用せずにお湯を作ることができます。

エコキュートの特徴は、電気だけで水を温めるのではなく、ヒートポンプ方式で空気中の熱を利用していることです。
ガスだけを使うガス給湯器や電気だけでお湯を沸かす電気温水器とは異なり、再生可能エネルギーを有効活用できるため、環境に優しく省エネ性能が高いと注目を集めています。

エコキュートが省エネにつながる仕組みについて、詳しく見ていきましょう。

エコキュートが省エネにつながる仕組み①ヒートポンプ

エコキュートと他の給湯器の一番の違いは「ヒートポンプユニット」の有無です。
ヒートポンプユニットとは、エコキュートに必須の機械で、室外機のような見た目をしています。

大気中の熱を回収し、再利用する仕組みのことをヒートポンプといい、ヒートポンプユニットでは、その仕組みを利用し水を温めています。
ヒートポンプは主に「空気を圧縮すると高温高圧になる」「空気(冷媒)を膨張させると低温低圧になる」さらに「熱は暑い方から冷たい方に移る」という3つの理論で構成されています。

空気中の熱を利用すると、電気やガスで水をお湯になるまで温めるよりも、大きく省エネにつながると言われています。
無駄な電力使用やガスの使用を抑えることができるため、省エネにつながるといえるでしょう。

エコキュートが省エネにつながる仕組み②再生可能エネルギー

そもそも再生可能エネルギーとは何かご存知ですか?

再生可能エネルギーとは、風や太陽光、地球の持つ熱(地熱や大気中の熱)などを指します。
石油や天然ガスのように、限り有る地球の資源をエネルギーとするのではなく、再び生み出されるエネルギーを利用することで、持続可能な社会の実現を目指すことができます。

というと、なんだか難しいですが、エコキュートは、外気の熱を回収し、水に移すことで、0から水を温めるよりもエネルギーの無駄を抑えることができます。
電気やガスの使用量を減らせるため、結果的に二酸化炭素の排出量を抑えることにつながり、省エネに貢献できるのです。

エコキュートが省エネにつながる仕組み③夜間電力の活用

エコキュートは、夜間に電力を利用してお湯を沸かすように設定することができます。
深夜割引プランを使えば、通常の電気代よりも安くなるため、光熱費の節約にもつながります。

また、夜間は電力が余りやすく、余った電力を利用することで省エネにもつながる仕組みです。

エコキュートの電気代目安

環境のために省エネを心がけるのは大切ですが、やはり光熱費への影響も気になるポイントです。
省エネでガス代がかからないエコキュートですが、その分電気代が高くなってしまうのは困りますよね。

エコキュートの電気代目安をダイキンのフルオートエコキュートEQX37XFVの電気代を公式HPの情報を元に算出してみました。

貯湯タンク容量370L(3~5人)フルオートのエコキュートEQX37XFVを一年間使用した場合、給湯にかかる年間の光熱費は約29,800円となります。
12ヶ月で割れば、1ヶ月2,500円以下となるため、かなりお得だといえますね!

ガス給湯器のガス代と比較!

ガス給湯器の給湯にかかる光熱費を把握していないという方も多いかもしれません。

東京ガスのガス料金をもとに算出すると、4人家族でガス給湯器を利用したと家庭した場合、年間75,000円〜107,400円程度のガス代がかかると計算できます。
もちろん使用条件によって大きな差はありますが、エコキュートとの光熱費の差は4万円以上とかなり大きなものになると考えられますね!

エコキュートの設置・交換には補助金が使える?

「エコキュートはガス給湯器より初期費用がかかる…」そんなイメージを持っている方も多いかもしれませんね。
確かに、一般的なガス給湯器に比べると、エコキュート設置にかかる費用は2〜3倍と安くはありません。

しかし、省エネで脱炭素化社会に貢献できるエコキュートの設置・交換には、政府からの補助金『給湯省エネ2024事業』を利用できます。

エコキュートの設置・交換に利用できる補助金『給湯省エネ2024事業』について、解説いたします。

給湯省エネ2024事業とは?

『給湯省エネ2024事業』(正式名称:「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」)とは、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、高効率給湯器の導入支援を行う経済産業省が行う事業です。
「2050年カーボンニュートラル」を目指し、その中途目標である「2030年度におけるエネルギー需給の見通し」を達成するため、エコキュートなどの高効率給湯器を普及・拡大させる目的があります。

規定で定められた一定の性能を満たす高効率給湯器に交換、または新規設置すると、所定の補助金額が交付されます。

補助対象は?

エコキュートの設置・交換を検討している方の中で、下記条件に当てはまる方は、戸建て・マンションを問わず補助金を利用できます。

  • ・新築注文住宅に対象機器を購入・設置(工事請負契約)
  • ・リフォーム時に、対象機器を購入・設置(工事請負契約)
  • ・対象機器が設置された新築分譲住宅を購入(不動産売買契約)
  • ・既存給湯器から対象機器への交換設置を条件とする既存住宅の購入

ただし、過去の給湯省エネ事業で補助金申請をしたことがある方は対象外となりますので、ご注意ください。

エコキュートの設置・交換時にもらえる補助金はいくら?

エコキュートの設置・交換で給付される補助金の基本額は1台あたり8万円です。2025年の年間給湯保温効率の目標値を達成した製品を設置する場合に利用できます。

さらに、インターネットに接続可能なエコキュートで、なおかつ翌日の天気予報や日射量予報に連動する機能がついたモデルなら+2万円(A要件)、2025年度の目標基準値+5%の性能値を有するものは+4万円(B要件)、両方の条件を満たすものは+5万円の補助金を利用できます。

詳しい要件や注意点を知りたい方は、下記リンクもご覧ください。

まとめ

エコキュートは省エネにつながる次世代の給湯器です。給湯にかかる光熱費を抑えることができるため、家計にも優しい選択肢といえるでしょう。

エコキュートの設置・交換で利用できる給湯省エネ2024事業の補助金は、予算上限に達した時点で終了となってしまいます。エコキュートの設置を検討している方は、この機会にぜひ早めのご検討をおすすめします。

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