引っ越しをすると発生するのがエアコンの移設。エアコン移設には、旧居からの取り外しと新居への運搬・取り付け作業が発生します。通常は、自身で行わずに引っ越し業者やエアコン取り付け・交換業者などに依頼するのが一般的です。

本記事では、引っ越しに伴うエアコン移設でかかる費用、移設を依頼する業者の選び方について解説します。

エアコンの移設工事とは何か?

エアコン 移設工事

エアコンの移設工事とは、すでに取り付けられているエアコンを取り外し、新居に取り付け直す工事のことをいいます。

引っ越しに伴うエアコン移設工事の場合は、エアコンの運搬も作業に含まれます。

なお、エアコンの移設では配線工事があるため、第二種電気工事士の資格がないと行うことができません。

引っ越しのエアコン移設でかかる費用

引っ越し エアコン 移設 費用

エアコン移設の工程は、大きく「取り外し」「運搬」「取り付け」の3つのプロセスに分かれます。それぞれでかかる費用の目安を解説します。

取り外し

エアコンの取り外しには、1台あたり5,000円〜10,000円程度の費用がかかります。取り外しに含まれる作業内容は、室外機のポンプダウンや配管カバー・化粧カバーの撤去、配管の取り外し、エアコン本体と室外機の撤去・梱包などがあります。ポンプダウンとは、エアコン本体と配管内にある冷媒ガスをすべて室外機の中に封じ込める作業です。

取り付け

エアコンの取り付けの費用目安は、1台あたり15,000円〜20,000円ほどです。エアコン本体の取り付けのほか、以下の工事内容が含まれます。

配管専用の穴あけ
背板の取り付け
配管の接続と長さ調節
配管のバリ取りとフレア加工
室外機のポンプダウン
わたり配線の接続
配管カバーや化粧カバーの取り付け
パテ埋め

運搬

エアコンの取り外し・取り付けの他に、エアコンを新居まで運搬する費用もかかります。運搬費用は移動距離によって変動するため、遠方になるほど高くなります。

その他工事

エアコン移設に伴い、電圧変更工事や配管の延長・交換、コンセントの交換や増設などの工事が必要になる場合があります。さらに、入居先が「屋根置きタイプ」や「壁掛けタイプ」など特殊な室外機を使用している場合も、追加料金がかかることもあります。

エアコンの移設はどこに頼むのがベスト?

エアコン 移設 依頼先

エアコンの移設を依頼する業者は、引っ越し業者以外にもいくつかあります。

引っ越し業者

もっともポピュラーなのが引っ越し業者です。エアコン移設も含めて引っ越し作業をまとめて依頼できるため、業者とのやり取りが1度で完結します。また故障リスクの高い運搬作業もまとめて任せられます。

ただし、費用に仲介手数料が含まれるため、他と比べると割高になることが多いです。また、実際の設置作業は、委託先の施工事業者が行うことがほとんどです。その際、エアコン施工事業者と依頼主は直接連絡を取れないことが多く、コミュニケーション不足でトラブルが発生することもありえます。

配送業者

配送業者は運搬のプロであるため、大きいもの、重いもの、高価な荷物の運搬に長けています。さらに「エアコン移設パック」を設定している配送業者もあります。

ただし、運搬費や部材費などが別途必要になることがあるため、費用が割高になりやすい傾向にあります。

エアコン取り付け・交換業者

エアコン取り付け・交換に特化した専門的知見やノウハウが豊富で、作業の質が高いことが多いです。また引っ越し業者のように仲介手数料が発生しないため、費用を安く抑えられる点もポイント。ただし、運搬に対応していない業者もあるため、依頼前に必ず作業範囲を確認してください。

引っ越しする場合、移設と買い替えはどちらがお得?押さえておきたいポイント

引越し エアコン 移設 買い替え

引っ越しする場合、移設と買い替えはどちらがお得になるのでしょうか。ここでは、比較検討する際のポイントを4つご紹介します。なお、新しいエアコンの買い替えをする場合は、お得な補助金制度もあります(2024年度)。ぜひ下記の関連記事もチェックしてください。

エアコン本体の購入価格

今使用しているエアコンの購入価格が4万円以下であれば、移設費用のほうが高くなる可能性が高いです。新しいエアコンの買い替えを検討することをおすすめします。

エアコンの寿命・耐用年数

エアコンの寿命は一般的に10年といわれています。長く使用し続けているエアコンは汚れが溜まっていたり、経年劣化によって性能が低下したりするため、冷暖房効率も悪くなります。製造年から7〜8年経っているエアコンであれば、移設よりも買い替えがおすすめです。

移設先の間取り

「6畳用」「8畳用」のようにエアコンには対応畳数が決められています。
旧居と新居(移設先)の部屋の広さがあまりにも違いすぎると、冷暖房効率が悪くなり電気代が高くなってしまいます。旧居よりも新居の間取りが広いのであれば、その広さに適合したエアコンを新しく買い替えるのがベターです。

ただし、各メーカーのエアコンカタログやネットショップに記載されている畳数は、あくまで目安となります。
住宅の構造やお住まいの状況によって異なってくるため、注意が必要です。
エアコンの畳数と選び方について、詳しくは下記ページをご参考ください。

これで間違えない!エアコンの畳数と選び方|交換できるくん

移設先のコンセント・電圧

エアコンには、100V(ボルト)対応と200V対応の2種類があります。電圧だけではなくコンセントの形状も異なります。

新居のエアコン用コンセントが、現在ご使用中のエアコンに対応していない場合は、対応する電圧のエアコンに買い替える、電圧の変更工事を行う、コンセントの増設をするといった措置が必要になります。

まとめ

引っ越しのなかでもエアコンの移設は検討するポイントが多く、費用もかかります。場合によっては、新しいエアコンに買い替え・交換をした方がお得な場合も。

エアコン交換業者を検討する場合は、交換後の次の10年を見据えて、保証がついているかや、企業として信頼できるかもチェックして選ぶことが大切です。また、政府の補助金申請に対応しているかも、重要なポイントとなります。

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